最新のアミノ酸研究


  • 肥満女性の脂肪組織におけるトリプトファン代謝のインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼによる活性化:免疫ホメオスタシスと血管緊張を維持する試み

    2013-06-10

    Title:
    Tryptophan metabolism activation by indoleamine 2,3-dioxygenase in adipose tissue of obese women: an attempt to maintain immune homeostasis and vascular tone.


    Author:
    Wolowczuk I, Hennart B, Leloire A, Bessede A, Soichot M, Taront S, Caiazzo R, Raverdy V, Pigeyre M; ABOS Consortium, Guillemin GJ, Allorge D, Pattou F, Froguel P, Poulain-Godefroy O.


    Keywords:


    Abstract:
    ヒト肥満は、白色脂肪組織の慢性の軽度炎症により特徴づけられ、しばしば高血圧を伴う。インールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ-1(IDO1)はトリプトファン/キヌレニン分解経路の律速酵素であり、前炎症性サイトカインが引き起こすと思われるIDO1の誘導がこれらの疾患と関連づけられる可能性があるが、肥満においてはまだ探索されていない。免疫組織化学法を用いることにより、肥満患者の白色脂肪組織中のIDO1発現を検出し、IDO1の血管緊張調節への寄与、および、IDO1の免疫調節作用を重点的に検討した。36名の肥満女性と15名の痩せた女性の血清中のトリプトファンおよびキヌレニンの濃度を測定した。対応する大網脂肪組織、皮下脂肪組織、および、肝臓におけるIDO1の発現を評価した。脂肪組織中の前炎症性マーカーとT細胞亜群を、CD14、IL-18、CD68、TNF-α、CD3ε、FOXP3[抑制性T細胞(Treg)マーカー]、およびRORC(Th17マーカー)の発現を調べることにより解析した。IDO1活性化を反映するキヌレニン/トリプトファン比は、肥満群において痩せている群よりも高かった。脂肪組織と肝臓のいずれにおいてもIDO1発現が亢進しており、動脈血圧と逆相関関係があった。炎症は肥満脂肪組織におけるT細胞浸潤と関連し、大網コンパートメントにおいてTh17が優勢であり、皮下沈着物においてTregが優勢であった。Th17/Treg平衡は皮下脂肪組織において低下しており、IDO1活性化と相関した。これに対して、大網コンパートメントにおいて、IDO1が活性化しているにもかかわらず、Th17/Treg平衡制御が障害されていた。総合すると、IDO1活性化は、肥満が惹起する炎症および高血圧を抑制する局所代償メカニズムであることをわれわれの結果は示唆している。


    Journal:
    Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 2012 Jul 15;303(2):R135-43.





  • ヒトにおける代謝物プロファイリングは代謝リスクに関連する経路を同定する

    2013-06-10

    Title:
    Metabolite profiling identifies pathways associated with metabolic risk in humans.


    Author:
    Cheng S, Rhee EP, Larson MG, Lewis GD, McCabe EL, Shen D, Palma MJ, Roberts LD, Dejam A, Souza AL, Deik AA, Magnusson M, Fox CS, O'Donnell CJ, Vasan RS, Melander O, Clish CB, Gerszten RE, Wang TJ.


    Keywords:


    Abstract:
    背景:糖尿病や心血管疾患を発症しやすい人において複数の代謝危険因子が集積することが知られているが、その基礎を成す生物学的メカニズムはまだよくわかっていない。 方法と結果:心臓代謝リスクと関連する経路を同定するため、Framingham Heart Study(FHS;n=1015) およびMalmo Diet and Cancer Study(MDC;n=746)において、液体クロマトグラフィ/質量分析を用い、45種の代謝物の血漿濃度を測定し、これら代謝物と心臓代謝リスクとの関係を検討した。次に、心血管および代謝疾患の実験モデルにおいて重要な知見を検討した。代謝危険因子(肥満、インスリン抵抗性、高血圧、脂質異常症)は、分枝鎖アミノ酸、他の疎水性アミノ酸、トリプトファン分解産物、ヌクレオチド代謝物などの多数の代謝物と関連した。探索実験サンプル(FHS)において、インスリン抵抗性体質とグルタミン(標準化回帰係数、グルタミン対数で1-SD変化につき-0.04~-0.22:P<0.001)、グルタミン酸(0.05~0.14;P<0.001)、および、グルタミン/グルタミン酸比(-0.05~-0.20;P<0.001)と強く相関し、同様の相関関係は再現実験サンプル(MDC)にても観察された。FHSにおいて、グルタミン/グルタミン酸比が高いと、新規糖尿病リスクが低いという関連があったが(オッズ比、0.79;調整後P=0.03)、MDCにおいては関連しなかった。実験モデルにおいて、マウスへのグルタミン投与は、耐糖能を高め(P=0.01)、血圧を降下させた(P<0.05)。 結論:生化学的プロファイリングは、代謝体質とこれまで関連づけられなかった循環血中の代謝物を同定した。これらの経路のひとつの実験的検討によると、マウスにおいて、グルタミン酸と比較して過剰なグルタミンは、外因性投与から生じ、代謝リスク低下と関連した。


    Journal:
    Circulation. 2012 May 8;125(18):2222-31. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.111.067827. Epub 2012 Apr 11.