炎症性腸疾患の診断および評価のための血漿アミノ酸プロファイルから構成される新規の客観的な多変量バイオマーカー

更新日時 2013年11月06日
研究会員 Hisamatsu T, Okamoto S, Hashimoto M, Muramatsu T, Andou A, Uo M, Kitazume MT, Matsuoka K, Yajima T, Inoue N, Kanai T, Ogata H, Iwao Y, Yamakado M, Sakai R, Ono N, Ando T, Suzuki M, Hibi T.

 

Title:

Novel, objective, multivariate biomarkers composed of plasma amino acid profiles for the diagnosis and assessment of inflammatory bowel disease.

 

Abstract:

背景:炎症性腸疾患(IBD)は、少数の臨床的バイオマーカーと関連する慢性的な腸疾患である。IBDの診断を容易にし、その疾患活動度を評価するために、血漿アミノ酸濃度の統計学的モデル(アミノグラム)を用いた新規の多変量インデックスは有望か否かを検討した。

方法と主要結果: 387名のIBD患者(クローン病(CD)、n=165;潰瘍性大腸炎(UC)、n=222)、および、210名の健常対照者を対象に、空腹時血漿アミノグラムを測定した。Fisherの線形分類器に基づき、探索用サンプル(CD、n=102;UC、n=102;年齢と性別がマッチした健常対照、n=102)においてアミノグラムから多変量インデックスを策定し、内部で妥当性を確認した。この多変量インデックスを用いてCDまたはUC患者と健常対象者とを識別し、また、活動期患者と寛解期患者とを識別した。ROC(receiver operating characteristic)曲線下面積(AUC)を用いてインデックスの性能を評価した。ヒスチジンやトリプトファンなどの血漿アミノグラムが有意に変化しているのを観察した。血漿アミノグラムから確立された多変量インデックスは、検証サンプル(CD、n=63;UC、n=120;健常対照、n=108)において、CDあるいはUC患者を健常対照者から識別することができ、ROC AUCはそれぞれ0.940(95%信頼区間(CI):0.898~0.983)と0.894(95%CI:0.853~0.935)であった。さらに、他のインデックスは疾患活動度の指標であると思われた。これらのインデックスは、活動期のCDまたはUC患者を各々の寛解期患者から識別し(ROC AUCはそれぞれ0.894(95%CI:0.853~0.935)と0.849(95%CI:0.770~0.928))、CD(r(s)=0.592、95%CI:0.385~0.742、p<0.001)あるいはUC(r(s)=0.598、95%CI:0.452~0.713、p<0.001)の臨床的疾患活動度指数と相関した。

結論と意味:本研究において、血漿アミノ酸プロファイルから構成される確立された多変量インデックスは、IBDの診断とモニタリングのための新規の非侵襲的客観的バイオマーカーとして役立ち、IBDの病態生理についての新しい洞察を提供することをわれわれは明らかにした。

 

Jounal:

PLoS One. 2012;7(1):e31131. doi: 10.1371/journal.pone.0031131. Epub 2012 Jan 31.

 

Key Words:

アミノ酸、炎症性腸疾患