最新のアミノ酸研究


  • アミノ酸異常と関連する骨折治癒障害

    2014-11-27

    Title:
    Impaired fracture healing associated with amino acid disturbances.


    Author:
    Wijnands Karolina A P, Brink Peter R G, Weijers Paul H E, Dejong Cornelis H C, Poeze Martijn,


    Keywords:
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    Abstract:
    【背景】全骨折患者の5~10%が、骨折部分不癒合を生じる不適切な治癒過程を経験する。複数の先行研究が、正常な骨折治癒にはアルギニンから十分な量の一酸化窒素が産生されることが重要であることを示している。しかし、炎症などのストレス条件下、アルギニンの利用能は低下することがあり、これが、仮骨形成が不十分な結果としての不癒合に結びつく可能性がある。
    目的:本研究の目的は、骨折不癒合のある患者とない患者における仮骨および血漿中のアミノ酸濃度を測定することであった。
    【デザイン】血漿中および仮骨中のアミノ酸濃度を、HPLCを用い、骨萎縮性癒合不全患者(n=12)において測定し、骨萎縮性癒合不全患者(n=12)、急性骨折患者(n=15)、および、骨折治癒患者(n=8)と比較した。
    【結果】骨萎縮性癒合不全患者群において、骨折治癒群よりも、仮骨中のアルギニン(61 μmol/mg vs 180 μmol/mg;P<0.0001)、シトルリン(13 μmol/mg vs 44 μmol/mg;P<0.0001)、および、オルニチン濃度(25 μmol/mg vs 149 μmol/mg;P<0.0001)が有意に低かった。骨萎縮性癒合不全患者群において、骨折治癒群よりも、アルギニン濃度が有意に高く、オルニチン濃度が低かった。血漿中のアルギニン濃度は、骨萎縮性癒合不全患者群(62 μmol/L;P<0.001)および急性骨折群(41 μmol/L;P<0.001)において有意に低かったが、骨萎縮性癒合不全患者群では低くなかった。血漿中のオルニチン濃度はすべての群において急性骨折群よりも低かった。
    【結論】不癒合患者においてアミノ酸濃度が有意に変化していた。骨萎縮性癒合不全患者群においてすべてのアミノ酸濃度が低かったのに対して、骨萎縮性癒合不全患者群において、治癒骨折群や急性骨折群よりも、骨折部位のアルギニン濃度が高く、オルニチン濃度が低かった。


    Journal:
    Am J Clin Nutr. 2012 May; 95(5): 1270-7





  • 小児および青年期クローン病患者における腸炎症の代用マーカーとしての血漿シトルリン:予備的報告

    2013-08-28

    Title:
    Plasma citrulline as surrogate marker of intestinal inflammation in pediatric and adolescent with Crohn's disease: preliminary report.


    Author:
    Diamanti A, Knafelz D, Panetta F, Bracci F, Gambarara M, Papadatou B, Daniele A, Goffredo BM, Pezzi S, Torre G.


    Keywords:
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    Abstract:
    目的:血漿中のシトルリンが腸細胞量減少のマーカーとなり得る可能性を複数の研究者らが見いだしている。本研究の目的は、小児および青年期クローン病(CD)患者における血漿シトルリン濃度と腸の炎症や病変部位との関係を評価することであった。 方法:2008年1月から2010年1月までの間、31名のCD患者と44名の対照被験者を本研究に組み入れ、CD患者31名のうち15名についてプロスペクティブな調査を継続した。ベースライン時の血漿シトルリン濃度とグルタミン濃度の群間差、および、プロスペクティブ調査におけるこれら血漿濃度のベースライン値と最終値の間の差を評価し、シトルリンのベースライン濃度と罹病期間、C反応性蛋白、糞便中カルプロテクチン値との相関関係を評価した。 結果:平均シトルリン濃度は対照群33.0±7.5 μmol/Lに対して、CD群23.5±8.4 μmol/Lであった(P<0.0001)。血漿シトルリン濃度は小腸(SB)病変を有する(SB型)患者において、病変が回腸-結腸のみの患者よりも有意に低かった(それぞれ14.2±5.5 μmol/Lと24.7±8.0 μmol/L;P=0.0037)。SB型CD患者を対照被験者から識別するカットオフ値としてシトルリン濃度≦22 μmol/Lを用いると、感度は100%(95%信頼区間(CI)54~100)、特異度は98%(CI 89~99)に達した。 結論:CD患者において対照よりも血漿シトルリン濃度が低い。腸の炎症ではなく損傷がシトルリン生合成低下の原因であるようであり、シトルリン生合成はSB型CD患者において特に抑制されている。シトルリンは病変部位のマーカーとしてある役割を果たす可能性をこの知見は示唆しているが、これを確認するためには将来研究が必要である。


    Journal:
    Int J Colorectal Dis. 2011 Nov;26(11):1445-51. doi: 10.1007/s00384-011-1255-z. Epub 2011 Jun 14.





  • クローン病患者の疾患活動度マーカーとしての血漿シトルリン濃度

    2013-08-28

    Title:
    Plasma citrulline concentration as a marker for disease activity in patients with Crohn's disease.


    Author:
    Elkhatib I, Buchman AL.


    Keywords:
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    Abstract:
    背景:シトルリンは、酵素媒介的な尿素回路を通ってグルタミン中間代謝から産生される窒素最終産物であり、ほぼ小腸上皮の腸細胞でのみ産生され、結腸細胞において一部合成される。腸疾患や腸損傷から生じる腸機能障害は、シトルリン合成をはじめとする中間代謝に影響を与える。シトルリン濃度はクローン病の活動期に低下すると仮定し、血漿シトルリンはクローン病患者における疾患活動度のバイオマーカーであるか否かを明らかにしようとした。 方法:クローン病歴が知られている18~65歳(平均40.6±15.4歳)の外来患者合計81名を対象に、プロスペクティブに検討した。小腸切除術施行歴、腎機能障害、肝機能障害を有する患者を除外した。クローン病の疾患活動度をHarvey-Bradshaw Index(HBI)により評価し、同時に測定(イオン・クロマトグラフィー)した血漿シトルリン濃度との相関関係を検討した。Spearman相関係数を用いて、疾患活動度と血漿シトルリン濃度との間の関連を評価した。孤立性小腸病変を有する患者、内視鏡的あるいはX線像的に疾患活動度が確認された患者のサブグループ解析も行った。 結果:22名が孤立性結腸病変を有し、59名が小腸病変を有していた。これらの患者のうち26名に内視鏡検査やコンピュータ断層法または磁気共鳴イメージングを同時に施行した。HBIスコアに基づくと、32名が活動性病変(HBI≧5)を有し、49名が非活動性病変を有していた。平均HBIスコアは4.8±5.5であった。平均血漿シトルリン濃度は正常であったが、一部の患者において正常値よりも低かった。血漿シトルリン濃度は、HBIに基づく活動期患者と非活動期患者を識別できなかった(活動期患者27.8±8.8 μmol/L、非活動期患者27.8±11.1 μmol/L、P=0.991)。シトルリン濃度(階層)とHBI(階層)の間に有意な線形関係はなかった(rs=0.012、P=0.915)。孤立性小腸病変を有する患者59名の間で、血漿シトルリン濃度とHBIの間に相関関係はなかった(Spearman相関係数、0.073;P=0.583)。画像診断か内視鏡検査により確認された炎症の有無による血漿シトルリン濃度の差はなかった(確定、26.2±11.8;陰性、28.0±10.0;独立t検定P=0.583)。 結論:血漿シトルリン濃度はクローン病患者における疾患活動度マーカーではなかった。しかし、検討したすべての患者が外来患者であり、血漿シトルリン濃度はより重症であるかより広範な小腸病変を有する患者においてのみ低い可能性がある。さらに、血漿シトルリン濃度は吸収後状態(postabsorptional state)において高い可能性があり、通例われわれの患者は絶食状態でなかった。クローン病患者における疾患活動度マーカーとしてのシトルリンの役割を更に詳細に解明するためにはより多くの研究が必要である。シトルリンは、切除術歴を有する患者においてより良好なマーカーである可能性も存在し、この患者群は特異的な評価を必要とする。


    Journal:
    J Clin Gastroenterol. 2012 Apr;46(4):308-10. doi: 10.1097/MCG.0b013e31822b80e0.