AGA治療薬の効果と特徴は?薬を選ぶポイントを紹介!
2023.07.04

AGA治療薬の効果と特徴は?薬を選ぶポイントを紹介!

「髪の毛が薄くなってきて…もしかして AGAかもしれない」「AGAに効く薬はどんなものがあるんだろう」と気になる男性は多いと思います。

AGAは、成人男性が発症する脱毛症のことで、50代では40%の男性が発症しています。AGAは症状が出たまま、放っておくと徐々に進行してしまいますので、早めの対策が必要です。

最近は、男性ホルモンの1つジヒドロテストステロンが発症に関係していることが分かり、治療薬の研究も進んできました。以前は「AGAは遺伝で仕方ないもの…」とあきらめられていましたが、治療できるようになりました。

ただ、AGA治療薬にはそれぞれ効果、特徴、副作用に違いがあります。そのため、自分の症状や持病、体質に合ったものを医療機関で医師に処方してもらうことが必要です。

今回の記事は、AGAが起きるメカニズムから、治療薬の特徴、治療薬の選び方について、詳しく解説していきます。

目次

  1. そもそもAGAになるメカニズムは?
  2. AGAの治療薬は大きく分けて2種類
  3. AGAの治療薬を紹介
  4. AGA治療薬の種類を選ぶときの注意点
  5. AGA の治療効果は半年から1年の期間が必要
  6. AGA治療薬は病院で処方してもらおう
  7. まとめ

そもそも AGA になるメカニズムは?

AGAによって抜けた髪の毛の中には、ジヒドロテストステロンが多く含まれていることが分かりました。

ジヒドロテストステロンは、男性ホルモンのテストステロンに、酵素の5αリダクターゼが結合して作られる成分です。体格、声、髭等の男性らしい体を作るのに必要な物質です。

しかし、ジヒドロテストステロンが頭皮に行くと、髪に栄養を送る毛乳頭細胞に取り込まれ、髪の毛の元となる毛母細胞の働きを低下させてしまい、髪の毛が生え換わる周期を伝えるシグナルを乱してしまいます。すると、髪の毛の成長期間が短くなってしまい、正常な時よりも細くて短い髪の毛ばかりが生えるようになってしまいます。

ジヒドロテストステロンの量が多いほどAGAの症状は進行していきます。遺伝によってこのホルモンの量は深く関わっていると言われていて、親や祖父母にAGAの人がいる場合は近い将来症状が出る可能性が高いので、早めの対応が必要です。

AGAの治療薬は大きく分けて2種類

AGAの治療薬には、大きく分けて2つあります。発毛を促進するものと抜け毛を予防するものです。効果や特徴、副作用から費用までしっかりと確認していきましょう。

発毛を促進する治療薬

発毛を促進する治療薬には、ミノキシジルタブレット、リアップ、ロゲイン、フロジン、アロビックスがあります。

毛細血管を拡げて血流を良くして、髪の毛に栄養を行き渡らせます。

そのうち、ミノキシジル、リアップ、ロゲインは成長を促す毛乳頭細胞に作用してヘアサイクルを延長させる働きがあります。これによって髪の毛が太くなり抜けにくくなりボリュームを多く見せる効果があります。さらに、毛乳頭細胞由来の発毛因子の産生を促進したり、毛乳頭細胞を増殖させたりするので毛髪の数を増やす効果もあります。

フロジンは医療用医薬品で、アロビックスはフロジンのジェネリック医薬品です。皮膚に浸透しやすく、塗布すると機能低下状態の毛嚢に作用して発毛を促し、効果が持続します。

抜け毛を予防する治療薬

抜け毛を予防する治療薬には、プロペシア、フィナステリド、ザガーロ、デュタステリドがあります。

ジヒドロテストステロンを作る時に必要な酵素5αリダクターゼを抑制することで、ジヒドロテストステロンの量を減らし、発毛サイクルが正常に戻ることによって、脱毛を予防する効果があります。フィナステリドはプロペシアの、デュタステリドはザガーロのそれぞれジェネリック医薬品です。

AGAの治療薬を紹介

AGAの治療薬が多くあることは分かりましたが、効果、特徴や副作用等が気になります。また、効果が実感できるまで少なくとも6ヶ月以上継続する必要があるので、費用面も心配になる方は多いでしょう。

ここでは、代表的なAGAの治療薬について詳しく紹介していきます。

ミノキシジル

ミノキシジルは発毛を促進する治療薬で、元々は高血圧を治療するために開発されていました。しかしながら、予想とは違って発毛を促進する効果があることが認められて、結果的にはAGA治療薬として承認されるようになりました。第1類医薬品に分類されて調剤薬局やドラックストアでも販売されています。錠剤、ローションタイプがあり、効果は同じです。

効果と特徴

発毛因子として知られる、インスリン様成長因子(IGF-1)や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の産生を促進させ、この成長因子が毛母細胞を刺激して髪の毛を作るように促していきます。

また、毛乳頭細胞自体を増殖させて、毛髪量を増やす効果があります。さらに、毛細血管を広げ血流を良くし、毛母細胞を刺激して細胞死を抑制する働きもあります。それにより、ヘアサイクルを延長し、太く長い髪を作り、毛髪量を増やす効果があります。

ジヒドロテストステロンの量自体を減らす効果はありませんので、脱毛を予防する効果はありません。

費用

錠剤の内服薬とローションタイプの外用薬があり、費用は8000〜1万円です。

副作用

元々は高血圧の治療のために開発されていた薬です。そのため、血圧降下作用があります。高血圧の治療をされている方は、必要以上に血圧が下がることがありますので注意が必要です。

また、頭痛やめまい、胸の痛み、脈が早くなる、手足のむくみ等が報告されています。高血圧の治療をしている方、心臓病がある方はミノキシジルを使用する前に医師に相談しましょう。

ローションの場合は、この他にも、頭皮の赤みやかぶれが出ることがあります。

フィナステリド

フィナステリドはプロペシアの主成分です。2005年に、処方箋医薬品のAGA治療薬として、日本で初めて発売された医薬品になります。保険適応ではありませんので費用面での負担はありますが、現在ではジェネリック医薬品も流通しているので、負担軽減が期待されています。

効果と特徴

テストステロンからジヒドロテストステロンに変換する時に使われる、5α還元酵素Ⅱを阻害します。すると、発毛サイクルを乱す原因となるジヒドロテストステロンを減らして、正常な発毛サイクルに戻し、脱毛を防ぎます。AGAの進行を抑える効果があります。

費用

先発品のプロペシアは、6000〜7000円の費用がかかります。ジェネリック医薬品の場合は、4300円〜6000円です。

副作用

性欲減退、勃起機能不全(ED)、射精障害、精子の形態異常、精液量減少が起きることがあります。

フィナステリドの服用を中止すると、精子の形態異常と精液量は回復しますが、性欲減退、勃起機能不全(ED)、射精障害は服用中止後も続くことがあります。

妊活を考えている男性は、副作用面もよく理解して、服用するかどうかを医師と相談しましょう。

デュタステリド

デュタステリドはザガーロの主成分で医療用医薬品として承認されています。

フィナステリドよりも広い範囲のAGAに効果がある反面、副作用はフィナステリドよりも頻度が高いので、副作用までよく理解をして服用することが大切です。

効果と特徴

5α還元酵素のⅠとⅡの両方を阻害して、発毛サイクルを短くしてしまうジヒドロテストステロンを減少させ、過剰な脱毛を防ぎます。また、進行を遅らせるだけではなく発毛も期待できると言われています。

5α還元酵素のⅠは全身の毛乳細胞に分布していて、Ⅱは前頭部や頭頂部に分布しています。そのため、Ⅱだけを阻害するフィナステリドよりも、ジヒドロテストステロンの生成を強く抑えることができ、頭皮の広い範囲に効果を発揮します。

費用

ザガーロは約13000円、ジェネリック医薬品では約7500円です。

副作用 

性欲減退、勃起不全(ED)、射精障害、女性化乳房、頭痛、抑うつ気分、肝機能障害等があります。

服薬を止めても、性欲減退、勃起不全(ED)、射精障害は持続したとの報告があるので、妊活を考えている方は副作用をよく理解してから服薬しましょう。

また、ザガーロはカプセル剤で、カプセル剤の中身に触るだけでも薬の効果や副作用が出る可能性があります。そのため、女性や子供等、処方された人以外は直接触らないようにしましょう。

AGA治療薬の種類を選ぶときの注意点

このようにAGA治療薬には、様々な種類があることが分かりました。それでは、自分に合った治療薬を選ぶには、以下のような点を参考にしながら決めるようにしましょう。

薄毛のタイプに合ったものを選ぶ

AGA治療薬には、前述した通り、発毛を促進するタイプと抜け毛を予防するタイプに分かれていますので、プロペシアやザガーロとミノキシジルを併用することで、発毛を促進しながら脱毛を予防することができるので、最も高い効果が期待できます。

もし事情があって併用することができない場合は、自分の薄毛のタイプに応じて、これ以上抜け毛を進行させたくない方はプロペシアやザガーロを、妊活をこれから考えている人、薄くなった髪の毛を発生させたい方にはミノキシジルを使用すると良いでしょう。

持病や体質に注意して選ぶ

前立腺肥大症で服薬治療をしている方や高血圧、心臓病の治療をしている方は服用することで、思わぬ症状が出てしまうことがあります。持病や体質、薬の飲み合わせを踏まえて、AGA治療薬を服薬していいか医師に確認しておきましょう。

また、外用薬にアレルギーがある方は、使用することで湿疹や発疹、頭皮にかゆみが発生することがあります。自分の皮膚に合っているかどうかを確認するために、まずは少量から試してみましょう。

治療薬の価格で選ぶ

AGA治療薬は、即効性ではありません。継続することで効果が出てきますので、長く薬を使用することが重要です。いくら良い治療薬であっても、続けられないのであれば意味がありません。そのため、費用面で不安がある場合は、ジェネリック医薬品も含めて納得できる価格のものを選びましょう。

AGAの治療効果は半年から1年の期間が必要 

AGAの治療薬は、短くなっていた発毛サイクルが正常までリセットされてから、初めて効果を実感される方が多いです。少なくとも半年以上は治療薬を使用することが重要です。1年以上続けると、6割近く、さらに3年以上続けると8割近くの人が効果を実感できたと言われています。

また、AGAは進行性の病気のため、効果が実感できないからと薬を止めてしまうと、急激に薄毛が進行してきたりせっかく生えていた毛が抜けてしまったりすることがあります。薬の使用を止めたい場合は、医師に相談して納得してから中止しましょう。

効果が実感できなくて不安な場合は、用量を増量することも可能です。自己判断で増量すると思わぬ副作用が出ることがあります。必ず医師に相談してから投与量を決めましょう、

AGA治療薬は病院で処方してもらおう

プロペシアやザガーロは処方箋医薬品です。持病や体質、薬との飲み合わせや副作用等、いろいろなことを判断して薬を使うかどうかを決めないといけません。必ず病院を受診して、しっかりと問診を行ってから医師に処方してもらいましょう。

脱毛の悩みを打ち明けるのが恥ずかしいからと、個人輸入で薬を取り寄せることはおすすめできません。粗悪品や偽物等が含まれていたり、膨大な金額を請求されたりする危険性があります。

まとめ

AGAは多くの男性が発症する脱毛症で、男性らしい体格作りに働きかけるジヒドロテストステロンの影響が大きく関わっています。原因は、ジヒドロテストステロンが毛母細胞に作用して発毛サイクルが短縮し、細く短い髪しか生えなくなってしまうことだと分かりました。

AGAの治療薬は、発毛を促進するタイプと、脱毛を予防するタイプがあり、薬によって特徴や効果、副作用は様々です。特に、プロペシアやザガーロは、勃起不全や精液減少等、妊活に影響が出てしまう副作用もあるので、効果や副作用を納得してから使用するようにしましょう。

薬の選び方は、その人の体質、持病、悩み、費用面を考えながら、長く続けられるものを選んでいくことが重要です。最近ではジェネリック医薬品もあるので、上手く活用してみるのもいいでしょう。

個人輸入は、粗悪品、偽物が出回っていることがあるので危険です。必ず病院を受診して、医師に相談して処方してもらうようにしましょう。